Kyoto City University Of Art annual exhibition 2020

Miyuki Tajima 田島 幸 ヴィジュアルデザイン

お手紙でのインタビューにご協力頂き、ありがとうございます!

早速質問なのですが、田島さんは現在、ビジュアルデザイン専攻でどのような制作をされていますか?また、田島さんは写真・映像・イラストなど多岐にわたって制作をされている印象があるのですが、よければその分野ごとに制作しようと思った印象があればお聞きしたいです!

お手紙ありがとうございます。VD4回生の田島幸です。自分の字が公になるのはかなり緊張しますね・・・。インタビューよろしくお願いします!

まず現在、専攻では卒業制作としてアニメーションを作っています。内容は不思議な世界「ロマンチックランド」に住む最強小学生の日常を描いたほのぼのコメディーです。個人的には面白いと思ってます(笑)

次に今までの制作についてですが、どれも始めたきっかけは「やってみたい・・・!」というただの好奇心です。いいな〜かっこいいな〜と思ったらすぐ自分もやってみたくなってしまうんです。それが未知の領域のものでも、とりあえず何でもやってみる。でも初めはやっぱり全然分からなくて、できもしないことを何で引き受けたのかと何度も後悔したこともありました。でも今までできなかったことができるようになるのは嬉しいし楽しいので、結局やって良かったと思える。自分発信で新しいことを始めることも多いですが、周りの方々に挑戦する機会を与えてもらうことも多く、その方々との出会いも、自分の作品形態の多さにも影響していますね。本当に感謝しています。

田島さんは去年の進級制作のタクタイル(目の見えない人へのデザイン)の際もアニメーションを作られていましたよね!キャッチーなリズムが印象的で、作品を見た後もYouTubeで検索してきいていました。
《「ひじとあご」 禁断のラブストーリー》アニメーション 2020
https://youtu.be/FGdCNbwfM10

その他にも芸祭ファッションショーの際にはスタジオではカメラマンをされていたり、ムービーを制作されていたり、阪急のポスターにイラストが選ばれたり……「やってみたい!」という好奇心を抱いてから実行に移すまでのスピードが速いからこそ今の作品形態になっているんですね。

田島さんは自粛期間だった4・5月の間、どのように制作をされていましたか?また、自粛期間だからこそ新しくはじめたこと(制作以外でも)があれば詳しくお聞きしたいです!

YouTube見てくれたんやね、ありがとう!
確かに昔から考えるよりも先に即行動タイプなので、思い立ってから実行するまでがすごく早いかもしれません。でも私がやりたい事の大半は、1人ではできない事なので私が「やろう!」って声をかけた時に、一緒になってすぐに協力してくれる周りのみんなのおかげです。吉村さんにも以前協力してもらいましたね……ありがとう!!

自粛期間はとにかく部屋にこもって絵を描いていました。
あまりにも誰とも話さないから話し足りなくて、podcastでラジオ配信を始めたりしました。制作と直接的な関係はないですが、面白かったと言ってくれる人や次回を楽しみにしてくれる人もいて、いつもとは違った形でみんなを楽しませることができたような気がしました。でも客観的に、一人で一時間も独り言言ってる奴はヤバイですけどね(笑)

《田島幸ののんびりラジオvol.7【ロマンチック祭 /ゲスト 眞島悠さん】》
https://youtu.be/FJW7zvu7ZeQ

そうですね。以前田島さんの映像作品に出させていただいた時、田島さんは楽しそうに全力でモデルを撮影する姿がすごく印象的でした。「あー!それめっちゃいい!!」って声をかけられると、(やった!)という気持ちになって なので田島さんの全力で楽しんで取り組んでいる姿も人を惹きつけている魅力なんだと感じます。

さて、例年と違った制作環境でしたが、今後の制作への影響・作品展に向けて思案していることはありますか?冒頭で作品展にアニメーションを出すと仰っていましたが、そこに行き着いたきっかけなどもお聞きできると嬉しいです!

撮影してる時は、みんなで一つのものを作り上げている感じがしてすごく楽しいです。ただ自分がやりたいことをしているだけなので、そりゃお前は楽しいだろって感じですけど、実際に協力してくれた吉村さんにそう言ってもらえるのはすごく嬉しいです。精進します!ラジオも聴いてくれてありがとう。

制作環境についてですが、例年と比べて何か支障が出るということはありませんでした。私の制作はどこでもできますし、一人で黙々と作業をしています。とはいえ、VDの仲間とテイクアウトした食堂の唐マヨ丼を食べながら夜遅くまで作業していた時間を思うと今年は少し寂しいですね。

アニメーションに行き着いた経緯は、昨年度の進級制作でふと「自分が描いた絵を動かしてみたいな」と思って見様見真似で作ってみたのがきっかけです。その時は「ひじとあご」が身体的にくっつきそうでくっつかないことと、「男女の仲」がくっつきそうでくっつかないことを掛けたショートアニメを制作したのですが、それを見てくれた方々から「笑った」とか「面白かった」という感想を頂き、それがすごく嬉しかったんです。その時には自分は誰かを楽しませたくて作品をつくっているのかもしれないと気付きました。恩着せがましいかもしれませんが、アニメーションは、今の自分が誰かを楽しませられる一番の表現方法だと思っています。自分が楽しんでつくったものを誰かが良いと言ってくれる、こんなにも幸せなことはないですよね。

自粛中も制作環境が変わらなかったというのは強みでもありますね。人との関わりが減ってしまうのが難点ではありますが、その時も田島さんは「ラジオ」という形で人と関わり楽しませようとしているのが素敵ですね。

Twitterで公開されていた、アニメーションの一部を拝見しました。ポップな絵柄や色・音楽・セリフにとても楽しい気持ちになりました。是非全編を早く見たいです、とても楽しみにしています!
ロマンチックランド予告動画↓
https://youtu.be/Qxq0D6nPCsY

ここまでで田島さんの作品のジャンルの多さやそれに至った理由についてお伺いしてきました。最後の質問となりますが、この先何か新しく取り組んでみたい作品形態などはありますか?

卒業制作の一部を公開した映像ですね。
見ていただきありがとうございます!展示の演出にもこだわろうと考えているので、展示も見に来ていただけると嬉しいです。

新しく取り組みたいことについてですが、私は来年度から大学院に進学する予定なので、そこでは主にプロモーションについて勉強したいと考えています。今まではとにかく作品を「つくる」ことをやっていましたが、これからは作って終わりにせずに、それらを外に向かって発信する「広げる」ことをやっていきたいです。
私はアーティストになりたいわけではありません。

自分の制作活動をやめることはありませんが、ゆくゆくはアーティストやパフォーマー、素晴らしいアイデアや技術をもつ人のサポートができるようになりたいと思っているので、「広げる」ためのプロモーションの勉強はその一歩として考えています。

いつか自分が最高だと思う人やものたちを、バックアップできるような場所をつくれたら良いななんて考えたりもしますが、それを実現させるにはまだまだやるべきことがあるので、一つ一つ地道にクリアしていこうと思います。と言いつつ私の性格上、全然違うことをしている可能性も大いに有り得ますが・・・(笑)

吉村さん、こんな私の話を聞いてくれてありがとうございました!読んでくださった方にも感謝申し上げます。ありがとうございました。

ありがとうございました!

インタビュー:吉村英珠

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